文化ってなんだろう。
「文化」という言葉が尊く価値のあるものと
語られることが、ますます増えていると思います。
ぼくらが関わっている「判子」という道具も
「日本の文化」に関わる道具としてカテゴライズされて
いるので、「文化」についてはよく考えます。
では「文化」っていったいなんでしょうか。
「社会を構成する人々によって習得・共有・伝達される
行動様式ないし生活様式の総体」
と、大辞林には書いてあります。
「生活様式の総体」が「文化」というもの、
そしてそれは伝達され、ときに「習得」という
時間と労力を伴いつつ進行する共有作業によって
広がり、続いていく、というのが「文化」のようです。
書き出してみて思うのは、「文化」とは
極めて動的、ダイナミックな営みを繰り返すことで
実感できるものなんだということ。
「文化」というものは、物体としての「物」ではないので、
「ほら、これが文化だよ、めっちゃかっこいいでしょ」という
ように指さして会話することができません。
「文化」は「生活様式の総体」、つまり
人や物事の関係性の形が文化であって、
だからこそ、動的に動いていないと
存在さえない状態になるのです。
最近の「日本文化」「伝統文化」という
類の言葉で語られるものには、ものすごく「ダイナミック」を
感じさせる取り組みも一部ある中、
全体として動的なリズム感や動きはあまり感じられないような気がします。
伝達や習得のプロセスをいろいろ動かしてみて、
ダイナミックな共有の形を模索することで、
「文化」は作られ広まっていくのだろうと思います。